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株式会社東芝は、超解像技術「レゾリューションプラス」を搭載した液晶テレビ「REGZA」新シリーズを10月上旬より順次発売する。 上位シリーズのZH7000と、Z7000、FH7000の3シリーズ8モデルが、超解像に対応。いずれもHDD録画機能を搭載する。価格はいずれもオープンプライス。
3シリーズ8モデルの全てで、倍速/1,920×1,080ドットの10bit広色域フルHDパネルを搭載。パネルにはハーフグレア処理を施している。 ZH7000シリーズは、52/46/42型をラインナップ。300GB HDDを内蔵し、デジタル放送録画が可能なフラッグシップシリーズとなる。Z7000は、46/42/37型の3モデルを用意。ZH7000との違いは内蔵HDDを省いたこと。ただし、USB HDDやLAN HDDへの録画は可能となっている。 FH7000は、インテリアとの調和を目指した新デザインを採用した新ラインで、アルミダイキャストフレームを採用した新スタンドを装備。300GB HDDも備えている。ボディカラーはアルミナスシルバー/ブルーブラック/カッパーレッドの3色を用意する。
■ 超解像技術「レゾリューションプラス」搭載
全モデルで、超解像技術「レゾリューションプラス」を搭載する。エッジ部やテクスチャ部、平坦部の3種類に分類して映像を解析し、テクスチャ部にのみ超解像処理を行なう。 超解像とは、補間により画素を生成する従来のアップコンバートではなく、本来の輝度値を持つ画素を増やすことで、鮮鋭感ある画像の復元を図るもの。東芝は、再構成型といわれる超解像技術を採用している。 REGZAの超解像技術は、入力画像に対し1,920×1,080ドットの高解像度処理を加えたのち、撮像モデル関数によりダウンコンバートして元映像と同じ低解像度画像を作り出す。この生成画像を入力画像と比較し、その差分を検出。ダウンコンバート前の画像に対し、その差分成分を補正することで、出力画像の鮮鋭感を大幅に向上する。エッジ強調などにはこの超解像技術を使わず、あくまでテクスチャ部のみの処理とすることで、自然な解像感を実現しているという。 超解像処理はDVDビデオやSD解像度のコンテンツだけでなく、1,440×1,080ドットの地上デジタル放送なども、より先鋭感ある映像として表示できる。なお、この超解像処理は、VARDIAに搭載したXDEとは全く異なる技術となる。 超解像処理の実現のために、専用のLSIを新たに開発したほか、映像エンジンも新世代の「メタブレイン・プレミアム」を搭載する。なお、超解像処理はON/OFF切り替えも可能となっている。
超解像処理の導入により、映像処理系も見直しが図られている。メタブレイン・プレミアムでは、新たに周波数ヒストグラム検出機能を追加。映像シーンに応じてシャープネスを自動制御することで、鮮明でギラツキの無い映像を再現できるという「新シャープネスオプティマイザー」も搭載する。 新シャープネスオプティマイザーにより、より高精度に周波数特性を分析可能となり、映像ソース側の過渡な高域強調に起因するギラツキ感を低減するほか、自然な肌色部分のシャープネス制御などを可能とした。 新超解像処理LSIには、超解像処理だけでなくエッジ検出や、色階調クリエーション、新LTI(Luminance Trangent Improver)回路も搭載。新LTI回路では、新しい画像パターン抽出アルゴリズムを搭載し、ノイズなどの単発パルスに対する過強調を排除。ノイズ感を抑えた自然な輪郭補正が可能になったという。 2008年春モデルから採用した視聴環境にあわせて最適に映像を調整する「おまかせドンピシャ高画質」も強化し、「おまかせドンピシャ高画質・プロ」となった。視聴環境やコンテンツにあわせて、超解像処理を最適化した。さらに、周囲照度連動型の輝度ガンマ補正+輝度別彩度補正機能を搭載する。 そのほかの画質面の新機能として、「新PCモード」を採用。PCファイン/ゲームモード時に、パソコンやゲームの1080p信号を4:4:4処理可能としたことで、PCやゲーム接続時の色にじみを改善した。この場合、超解像処理はスキップされる。東芝製PCとの接続時には、フル画面で動画再生時にはVideoモードとして動作。4:2:2処理でノイズリダクションや超解像処理が行なわれる。一方、PCのデスクトップ画面表示時では、Windowモードとなり、4:4:4処理となる。 ■ ZH/Z7000はVARDIAにネットダビング可能 チューナは地上/BS/110度CSデジタルを各2系統と地上アナログを1系統装備。 ZH7000と、FH7000では、容量300GBの内蔵HDDへのデジタル放送録画に対応。さらに、ZH7000とZ7000は、USB HDDとLAN HDDへの録画に、FH7000はeSATA接続の外付けHDDへの録画が可能となっている。 それぞれのHDD間でダビングも可能。ダビング10にも対応している。番組表は「レグザ番組表ファイン」を採用。一度予約するだけで、連続ドラマを最終回まで録画予約できる「連ドラ予約」や、録画番組から直近のニュースをワンボタンで呼び出す「今すぐニュース」、視聴中の番組を一時停止して、あとで視聴できる[ちょっとタイム]機能などを装備。リモコンの専用ボタンで、ちょっとタイムや今すぐニュースを呼び出し可能となっている。ZH7000シリーズの52/46型のみ、ワンセグ放送のSDカードへの録画に対応する。
また、ZH7000/Z7000シリーズでは、内蔵(ZH7000のみ)/USB/LAN HDDに録画した番組をネットワークを介して、VARDIAやDTCP-IP対応のLAN HDDにダビングできる「レグザリンク・ダビング」機能も搭載。REGZAで録画した番組をVARDIAに転送し、HD RecでDVD-R/RWなどに書き出しできる。 対応VARDIAは、同時に発表されたRD-X8とRD-S503/S303。また、DLNA/DTCP-IPのクライアント機能も搭載し、VARDIAなどDLNAサーバー上の録画番組をストリーム再生可能となっている。なお、FH7000にはネットワーク関連機能は備えていない。 音響面では、「ドルビーボリューム」を搭載。番組とCMの変わり目などの音量差を自動調整し、自然なボリューム環境を作り出す。番組のジャンル情報にあわせて「スポーツ・音楽」、「映画」、「ニュース・バラエティ」などの音質モードを切り替える「おまかせドンピシャ高音質」も備えている。 ■ HDMIは4系統装備 ZH7000とZ7000はHDMI入力端子を4系統、FH7000は3系統装備する。x.v.ColorやDeep Colorもサポートしている。レグザリンクにも対応し、VARIDAやシアターラックとの連係動作が可能となっている。ZH7000/Z7000は、Ethernetを備えており、アクトビラビデオフルに対応。Webブラウザ機能も装備する。
( 2008年9月18日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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